仕事をしていると、自社の商品やサービスについて「これは当たり前」と思っていることがたくさんあります。
たとえば、
- この製品はこう使うもの
- この加工ができるのは普通
- この野菜はこう食べるとおいしい
- この対応はいつもやっている
- この品質管理は当然している
- このくらいの相談には対応できる
社内の人にとっては、毎日見ていることなので特別に感じないかもしれません。
でも、初めて見るお客様にとっては、それが分からないことがあります。
むしろ、その「社内では当たり前」の中に、選ばれる理由が隠れていることもあります。
作る側は知っている。でも見る側は知らない
作る側は、商品やサービスの背景をよく知っています。
どんな材料を使っているか。
どこに手間がかかっているか。
どんな工夫をしているか。
どんな使い方をすると便利か。
どんなお客様に向いているか。
こうしたことは、社内では自然に共有されていることが多いです。
しかし、お客様はその前提を知りません。
ホームページ、商品ページ、カタログ、売り場POP、写真だけを見て判断します。
そのときに、必要な情報が書かれていなければ、商品の良さが伝わらないまま比較されてしまうことがあります。
「言わなくても分かる」は意外と伝わらない
自社では当たり前すぎて、あえて書いていないこともあります。
たとえば製造業なら、
- 小ロットでも相談できる
- 特注対応ができる
- 現場に合わせた仕様変更ができる
- 納入後の相談にも対応している
- 他社品の置き換え相談ができる
- 古い設備に合わせた対応ができる
農産物や食品なら、
- 食べ方のおすすめ
- 保存方法
- 味や食感の特徴
- 収穫時期のこだわり
- 生産者ならではの工夫
- 家庭用か贈答用か
こうした情報は、お客様にとっては大切な判断材料になります。
でも、書かれていなければ伝わりません。
お客様は比較しながら見ている
お客様は、ひとつの商品だけを見ているわけではありません。
似たような商品、似たようなサービス、似たような会社を比べながら見ています。
そのときに、
- 何が違うのか
- どんな人に向いているのか
- どんな場面で役立つのか
- 相談してよい内容なのか
- 価格以外に選ぶ理由があるのか
が分からないと、比較しにくくなります。
結果として、価格、見た目、なんとなくの印象だけで判断されてしまうことがあります。
これはとてももったいないことです。
「強み」は特別なことだけではない
強みというと、他社にはない大きな特徴や、特別な技術を考えがちです。
もちろん、それも大切です。
ただ、お客様にとっての強みは、もっと身近なところにあることもあります。
たとえば、
- 相談しやすい
- 対応が早い
- 現場を分かっている
- 使い方まで提案してくれる
- 小さな困りごとにも対応してくれる
- 説明が分かりやすい
- あとから確認しやすい資料がある
こうしたことも、お客様から見れば大事な価値です。
社内では「いつもやっていること」でも、外から見ると安心材料になることがあります。
写真やページだけでは伝わらないことがある
写真は大切です。
商品写真、製品写真、売り場写真、施工写真。
どれも見る人に印象を与えます。
ただ、写真だけで全てが伝わるとは限りません。
製品の使いやすさ。
商品の味や食感。
現場での工夫。
サポートの内容。
相談できる範囲。
他の商品との違い。
こうした情報は、短い言葉や見出しを添えることで伝わりやすくなります。
写真と説明は、どちらか一方ではなく、組み合わせて考えることが大切です。
まずは「よく聞かれること」を書き出してみる
自社の当たり前を見つけるには、お客様からよく聞かれることを思い出すのがおすすめです。
たとえば、
- これは何に使えますか?
- どのくらいの量から対応できますか?
- 他の商品と何が違いますか?
- どう食べるのがおすすめですか?
- 納期はどれくらいですか?
- 既存の設備にも使えますか?
- 初めてでも相談できますか?
こうした質問は、お客様が知りたい情報です。
つまり、商品ページやカタログ、POP、ホームページに入れる価値があります。
よく聞かれることは、あらかじめ伝えておく。
それだけでも、お客様は判断しやすくなります。
社内の当たり前を外向きの言葉に変える
大切なのは、社内で使っている言葉をそのまま並べることではありません。
お客様が分かる言葉に変えることです。
たとえば、
「特注対応可能」だけではなく、
「既存設備や設置場所に合わせた仕様変更もご相談いただけます」
「鮮度にこだわっています」だけではなく、
「収穫後すぐに出荷し、みずみずしさが伝わる状態でお届けします」
「使いやすいです」だけではなく、
「初めての方でも調理しやすく、炒め物やお弁当にも使いやすい野菜です」
このように、お客様が利用場面を想像できる言葉にすると伝わりやすくなります。
まとめ
社内では当たり前のことでも、お客様には伝わっていないことがあります。
そして、その当たり前の中に、
- 選ばれる理由
- 安心して相談できる理由
- 価格以外で比較してもらえる理由
- 商品やサービスの価値
が隠れていることがあります。
まずは、自社の商品やサービスについて、
- よく聞かれること
- 説明すると納得されること
- 毎回口頭で伝えていること
- 実は手間をかけていること
- お客様に喜ばれたこと
を書き出してみるのがおすすめです。
それを、商品ページ、カタログ、POP、ホームページ、提案資料などに反映すると、見る人に伝わりやすくなります。
伝えるべきことは、意外と社内の日常の中にあります。
大切なのは、それをお客様に分かる形にすることです。