会社の中では、日々いろいろな節約が行われています。
備品を安いものに変える。
少しでも安い購入先を探す。
印刷枚数を減らす。
消耗品を長く使う。
送料や手数料を抑える。
外注せずに社内で対応する。
こうした節約は、とても大切です。
無駄な支出を減らす意識がある会社は、経営感覚もしっかりしていると思います。
ただ一方で、節約の内容によっては、削減できる金額よりも、そのために使っている時間の方が大きいことがあります。
節約は悪いことではない
まず、節約そのものは悪いことではありません。
無駄な支出を減らす。
固定費を見直す。
不要なものを買わない。
同じ品質なら安い方法を選ぶ。
これは会社にとって大切なことです。
特に中小企業では、少しの無駄でも積み重なると大きくなります。
だから、節約の意識を持つこと自体はとても大事です。
ただ、気をつけたいのは、節約するためにどれくらいの時間を使っているかです。
500円安くするために、1時間かけていないか
たとえば、備品を買うときに、少しでも安いものを探すことがあります。
A社よりB社が安い。
さらに別のサイトなら300円安い。
送料を考えると、こちらの方が少し得かもしれない。
こうした比較は、ある程度は必要です。
ただ、500円安くするために30分、1時間とかかっているなら、一度費用対効果を見てもよいかもしれません。
その時間を、見積対応、営業フォロー、現場改善、資料整理、請求確認などに使った方が、会社にとって価値が大きい場合もあります。
節約額だけでなく、そのために使った時間もコストとして見ることが大切です。
「社内でやるから無料」ではない
よくあるのが、外注せずに社内で対応するケースです。
チラシを作る。
POPを作る。
Excel表を直す。
写真を加工する。
ホームページの文章を直す。
簡単な資料を作る。
社内でできる人がいれば、費用はかからないように見えます。
ただ、実際にはその人の時間を使っています。
本来やるべき仕事を止めて対応しているなら、そこには見えないコストがあります。
もちろん、社内でやった方が早いこともあります。
外注するほどではない小さな作業もあります。
大切なのは、社内でやることが本当に得なのかを一度考えることです。
小さな節約が、現場の負担になることもある
節約のために、現場や事務の作業が増えることもあります。
たとえば、
- 安い資材に変えたら、使いにくくなった
- 安い備品を探すために、毎回比較している
- 外注をやめた分、担当者の作業が増えた
- 紙を減らしたが、逆に確認がしにくくなった
- 安い方法に変えたら、ミスや手戻りが増えた
- エアコンをつけずに我慢して、作業効率が下がった
こうなると、表面上の支出は減っていても、社内の負担が増えている可能性があります。
節約によって、現場の手間が増えすぎていないか。
確認ややり直しが増えていないか。
担当者に無理が出ていないか。
このあたりは、経営側でも見ておきたいところです。
節約すべきところと、任せた方がよいところ
会社のお金を守るためには、節約すべきところは節約した方がいいです。
ただ、すべてを自社で安く済ませるのが正解とは限りません。
たとえば、
- 毎月くり返す作業
- 担当者の時間を多く使っている作業
- ミスが出ると影響が大きい作業
- 見た目や伝わり方で印象が変わる作業
- 専門知識が必要な作業
- 社内でやると本業の時間を圧迫する作業
こうしたものは、少し費用をかけても、任せたり仕組み化したりした方がよい場合があります。
逆に、社内で簡単にできて、負担も少なく、品質にも問題がない作業なら、無理に外へ出す必要はありません。
判断基準は、金額だけでなく、時間・手間・ミス・本業への影響です。
経営者が見ておきたい視点
社内の細かい節約を見るときは、次のような視点が役立ちます。
- いくら節約できているか
- そのために何分、何時間かかっているか
- 誰の時間を使っているか
- 本来の仕事を止めていないか
- 確認や手戻りが増えていないか
- 担当者しかできない作業になっていないか
- 安くしたことで品質や印象が落ちていないか
特に、社長やオーナーが見ておきたいのは、
「支出が減ったか」だけではなく、
「会社全体として得になっているか」です。
節約より大事なこともある
会社にとって、節約は大切です。
ただ、利益を残す方法は、節約だけではありません。
- 見積対応を早くする
- 問い合わせを逃さない
- 作業時間を減らす
- ミスや手戻りを減らす
- 商品やサービスの良さを伝える
- 担当者しか分からない仕事を減らす
- 売上につながる仕事に時間を使う
こうしたことも、会社にとって大切な改善です。
細かい節約に時間を使いすぎて、本来取り組むべき仕事が後回しになっているなら、少し見直してもよいかもしれません。
まとめ
社内の細かい節約は、とても大切です。
ただ、節約額だけを見るのではなく、
そのために使っている時間や手間も含めて考えることが大切です。
500円を節約するために1時間かかっていないか。
社内で無料に見える作業が、担当者の負担になっていないか。
安く済ませたことで、ミスや手戻りが増えていないか。
こうした視点で見直すと、本当に効果のある節約と、見直した方がよい作業が分かりやすくなります。
節約は大切です。
ただ、その節約が会社全体にとって本当に得になっているか。
一度、費用対効果という視点で見てみるのもおすすめです。